

お施餓鬼とは
昔、お釈迦様のお弟子で阿難尊者という方がいました。
ある晩阿難尊者が寝ていると枕もとに世にも恐ろしい餓鬼*注 が現れ、阿難に向かって「お前はあと3日で死ぬぞ、もし死にたくなかったら俺たち餓鬼に沢山の食べ物と、仏様の教えを供えろ。」と言って立ち去りました。
阿南は自分が死ぬことは別に構わないが、お釈迦様にお仕えすることが出来なくなるのがとても辛く何とか救われる道がないのかと、お釈迦様の教えを仰ぎました。
その話をお聞きになられたお釈迦様は、餓鬼供養の方法をていねいに教えられました。その結果、餓鬼は大満足し、阿南尊者は以後20年に亘りお釈迦様にお仕えすることが出来、お釈迦様の十大弟子の一人になられ、多聞第一の弟子と言われるようになりました。
お盆と施餓鬼がよく混同されますが、お盆は、目連尊者のお母さんを地獄の苦しみから、救われた教えであり、施餓鬼は阿南尊者が餓鬼を供養することにより、お釈迦様に長くお仕え出来たお話です。
いずれにしろ自己のみが幸せであれば、それで良いという考えを見直し各家のご先祖を敬う、救われない、霊にたいしても感謝の気持ちをもつことであります。
この気持ちを大切にすることは現実の世の中でも自己のみの幸せを求めるものではなく、他の人々の幸福を真剣に考えようという戒めではないでしょうか。
*注 餓鬼:幾ら食べ物をたべても、空腹を満たすことが出来なかったり、食べ物を口に入れようとすると、食べ物が火に変わったりして、決して満足することが出来ない鬼のこと
(2024年4月15日)
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